エレン「アニに恋をした」
エレンが相談にのってくれなんて珍しいね。
そう言った幼馴染のアルミンの言葉に夕食を食べながら俺はため息をつく。
「仕方ねえよ。この気持ちに気付いてから、何をやっても上の空になっちまってよ」
俺は胸中をさらけだす。相談なんてのは口実で自分の気持ちを受け入れ、整理をつけたがっているのだ。
「アニは少なからずエレンに対して気持ちがあると思うよ。ただ、それでも通じるかどうかは僕にもわからないけどね」
アルミンの意見を聞いた俺は少し気が軽くなった。
「ま、こんな気持ちになったのはあいつだけだからな」
味気ないパンを齧りながら、俺は初めてアニと接した日を思い返していた。
「いてて・・・アニの奴、無茶苦茶強いな・・・」
宿舎のベッドに身体を預けた俺は一人呟いた。ライナーと二人してアニに負かされた日の晩のことだ。
同室のライナーやベルトルトは風呂に行って間もない。部屋には俺一人だけだ。
少しの痛みと女の子に負かされた悔しさが巡る。
いつか雪辱を晴らそう。頭の中でアニの動きをイメージする。何をされて、どう倒されたか。
しかし、イメージした回数と同じだけ地面に転がされた自分の姿が見えてしまう。
「負けっぱなしは癪なんだよ」
イライラが募る。どうにも考えこむのは性に合わない。
「そういや明日は対人格闘の訓練があるな・・・よし・・!」
勝つ為にはとにかくアニの動きや癖、技に慣れることだろうと思った俺は布団をひっかぶると眠りについた。
翌朝、俺は朝食の時間になると真っ先にアニを探した。
食堂を見渡すとお目当ての人物はすぐに見つかった。
この後のアニとの展開は 続きを読む から!