のび太「ドラえもん曰く、未来は刻一刻とその姿を変えるらしいから、未来を変えることは可能なんだ」
出木杉「なるほど……つまり、のび太くんは未来に不満があって、その結末を変えようとしているんだね」
のび太「そうだよ。ジャイ子と結婚なんて、まっぴら御免だからね」
出木杉「たしかに、源さんのことを好きな君にとっては、別の相手との結婚は耐え難いだろうね」
のび太「それだけが理由じゃないよ。正直言って、ジャイ子が将来の結婚相手と知った時、ぼくは泣いた」
出木杉「え? なぜだい?」
のび太「だって、ジャイ子だよ!? ジャイアンの妹の、ジャイ子! そりゃあ泣くよ! 喚くよ!!」
出木杉「で、でも、そのジャイ子さんがとっても良い子の可能性だってあるんだし……」
のび太「性格なんて関係ない! ブスと結婚なんてしたくない! そんなの当たり前だろう!?」
出木杉「の、のび太くん……」
のび太「はあ……はあ……取り乱して、ごめん」
出木杉「だ、大丈夫かい?」
のび太「うん。腹を割って話すと決めた時から覚悟はしていたけど、やっぱりこうなった。ぼくは最低だ。出木杉くんもそう思うだろう?」
出木杉「そこまで自分を卑下しなくても……」
のび太「だって、ぼくはジャイ子と親しいわけでもかいのに顔とジャイアンの妹ってだけで嫌なんだ! 本当は出木杉くんの言う通り、良い子なのかも知れないのに……どうしても、ぼくは……!」
出木杉「それは源さんのことが好きだからだろう?」
のび太「そんな綺麗事で誤魔化すのはもう嫌だ! ぼくは人を見かけで判断する最低野郎なんだ! そんなぼくに、しずかちゃんが振り向いてくれる筈ない!!」
出木杉「もうやめるんだ、のび太くん」
のび太「出木杉くん……」
出木杉「君の気持ちはよくわかった。そうした汚い部分も、たしかにあるだろう。けれど、だからと言って、純粋に源さんを想う気持ちを否定しては駄目だ」
のび太「ッ……出木杉! 本音を言えよ!!」
おぉ